旅行に行きたい
ホテルの一室。ソルベはベッドの上、右にはラジオ。ジェラートはもう一つのベッドの上、世界地図を広げ、右手には黒のマジック。外は雨が降っている。
「中国」
「だめだな」
「日本」
「行った」
「えーと……あっトルコ」
「トルコ……トルコか」
「どうかなあ」
「どうだったかな……」
「でももっと遠いところがいいな」
「景色も何もかも違うところがいい」
「それも長い間居たい」
「仕事がなけりゃな」
「遠くて誰もいない全く世界が違うところ」
「楽しいとこがいいな」
「……天国……」
「天国……いいな、行くかあ」
「どうやって」
「さあ……死んでみるか」
「行けても地獄……ふふ」
「ははは」
「ばつばっかりだ」
「ん。ここ×ついてないぜ。おそらく今後つくこともない……どうだ」
「どこ……海!」
「全く自由だぜ」
「嫌なの?」
「いや本気で言ってんだよ」
「冗談だろ」
「いいと思うがな……トルコ×つけとけよ」
「あれ、行った?」
「行った。お前腹下したろう」
「そうだっけ」
「そう」
「じゃあもうどこもないかな……」
「アフリカとか南極とか」
「楽しい?」
「んーなのは行ってみねえとな」
「まあね」
「行くぞ」
「もう?」
「そろそろ退散しねえとな。雨も強くなるらしい」
「うん。……これもらってこ」
「ああ〜……あーいいか」
「はは。あ、あのさあ」
「ん?」
「トルコで腹下したのソルベだよ」
「そうだっけ」
「そう」
「なんにしろトルコもなしだ」
「ああ……おじゃましましたー。……なんちゃって」
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